
岩手大学大学院 理工学専攻 電気電子?情報通信コース博士前期課程1年 関根 真旺さんが主著を務めた研究論文は、2025年10月27日から31日に福岡で開催されたアンテナ?伝搬分野の主要国際会議 ISAP2025(International Symposium on Antennas and Propagation)において、ISAP2025 Best Paper Award を受賞しました。ISAPは1971年に始まり、世界中の研究者が集うアンテナ?電波伝搬分野の代表的な国際会議であり、2025年は記念すべき第30回目の開催となりました。
Best Paper Awardは、本会議で発表された計534件の論文の中で、特に学術的?技術的に優れた成果を示した研究に贈られる、非常に名誉ある賞です。
本研究は、電波を使って機器に電力を送る「ワイヤレス給電」をより安全で効率的にするための技術に関するものです。スマート家電やIoT機器に電線を使わず電気を送る仕組みは便利ですが、強い電波を使うと人の体に電波が当たりすぎる可能性があり、またWi-Fiなどの通信機器に干渉して通信が乱れることがあります。そこで当研究室では、電波の向きを賢くコントロールすることで、人のいる方向には電波を弱め、電気を送る機器にはしっかり電波を集中させ、通信機器には干渉しないよう電波を避ける方法を開発しました。実験では、人の周りの電波を安全基準以下に保ちながら、電気を効率よく送れることを確認しました。
この技術は、医療?介護施設で使用される見守り用IoTセンサーや、農業分野で動物や作業者が存在する環境で利用される農業用IoTセンサーへの応用が期待されています。
本研究は、総務省SCOPE(受付番号 JP235002001)の委託を受けて実施しました。
受賞名:ISAP2025 Best Paper Award
論文タイトル:Interference-Free Human-Aware Beamforming for Microwave Wireless Power Transfer
著者:Mao Sekine, Shunto Arai, Kentaro Murata, Naoki Honma
受賞者リストURL: https://www.isap2025.org/wp-content/uploads/2025/11/ISAP2025_award_list.pdf
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