岩手大学次世代アグリイノベーション研究センターでは、第1回岩手大学次世代アグリ研究セミナーを開催いたします。
今回は、国立歴史民俗博物館の佐野雅規氏をお招きし、「樹木年輪の酸素同位体比による気候復元と年代測定―歴史学?考古学との協同による環境史研究― 」と題してご講演いただきます。ぜひ、ご参加ください。
2024年6月26日(水) 15:00~16:30
岩手大学農学部 南講義棟1階 4番講義室
対面
佐野 雅規 氏(国立歴史民俗博物館 特任准教授)
「樹木年輪の酸素同位体比による気候復元と年代測定―歴史学?考古学との協同による環境史研究―」
近年、過去の気候変動を精密に復元する古気候学の急速な進展により、歴史の画期となる時代に大きな気候変動があったことが世界各地で報告されています。樹木は、年輪を形成するという性質に加え、陸域の広範囲に森林が成立しているので、過去数千年間の気候変動を1年単位の解像度で復元するための材料として頻繁に使われてきました。
しかし、日本を含む温暖?湿潤なアジアモンスーン地域では、水や光をめぐる隣接木との生態学的な競争が樹木の肥大成長を左右するので、年輪幅から気候変動の情報を抽出することが容易ではありません。そうしたなか、2000年代に入ってからの分析技術の向上に後押しされ、樹木年輪セルロースに含まれる酸素同位体比の大量測定が可能になったことで、年輪幅では不適であった温暖?湿潤地域の気候復元(相対湿度、降水量、乾湿、雲量など)がアジア各地で多数報告されるようになってきました。
本発表では、日本を含むアジアを対象とし、樹木年輪を利用して過去の気候変動の実態を明らかにする取り組みを紹介するとともに、歴史学や考古学の知見と対比させることで、気候変動に対する当時の社会の応答について話します。また、日本においては、過去5000年間にわたる酸素同位体比の標準年輪曲線が構築されているので、それを用いた考古材の年代決定の事例についても紹介します。
どなたでもご参加いただけます。
※ただし、講演内容は専門的なものになります。
事前申込制
次の申込フォームからお申し込みください。
申込フォーム(https://forms.gle/yWi1RaqeMTyPCxoE6)
【申込締切】2024年6 月24日 (月)
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